だけど、樹くん。
貴方はこんな私さえも好きだと言ってくれるんだね。
『有紗じゃないと……ヤダ』
ちょっと拗ねたように言う樹くんが堪らなく愛しい。
好きよ、樹くん。好き、好き、ほんとに好き。
ちょっとぶっきらぼうで不器用で、だけどほんとは優しいところも。
困ったときにいう私の口癖
"樹くん"
どうしたら良いか分からなくなれば私はいつだって貴方の名前を呼んだ。
どんなときもめんどくさそうだけど、必ず話を聞いてくれた樹くんの優しさ。私はちゃんと分かってたよ。
私が転校してきた日だって、ずっと話を聞いてくれた。
私はきっとあの日からずっと樹くんが好きだった。

![[短編]初恋を終わらせる日。](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.759/img/book/genre1.png)