『中一の冬…』
有紗が口を開いたときには辺りは真っ暗で、よく見ないとどんな表情をしてるのかさえ分からなかった。
まあ、有紗からしたらこっちの方が都合が良いのかもしれないけど。
『お母さんが私を訪ねてきたの』
「───は?」
中一の冬?
話はそんな前に遡るのか?
『こっちでスナックやるから、手伝って言われたの。いまさら何よって思って断ったの。そしたら、冬休みの間だけで良いからって言われて…。何度も何度もお願いされて……』
そこで一旦とまって有紗はフッと笑った。
『バカだよねー…私』
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