「母さん、ちょっと出掛けてくる!」 『あら、デート?』 どこか楽しそうな母さんの声に返事することなく俺は家を飛び出した。 有紗との思い出は冬ばかり。 思い出す有紗は、綺麗で儚げで。 場所は、あの日からいつだってあの場所で。 君はきっと、あそこにいる。根拠のない自信を持って俺は、走るスピードあげた。