『こんなところで、どうしたの?もしかして家出?』 さっきのことなんて忘れたように普通に接してくる有紗。 普通じゃないのは、俺だけ。 髪は緩く巻かれていて。 いつもはほとんどしてないくせに、バッチりと施されたメイク。 いつもより確実に派手な服装。 近くに来たらほのかに香った、香水。 それは甘い匂いを好む有紗は確実につけないであろう、というか確実に男物。 何だよ、有紗。 「男といたのかよ………っ」