『じゅ、り…くん?』 愛しい声が聞こえた。 聞きなれた、きれいな声が。 どこか不安げに俺の名前を呼ぶ声が。 公園の入り口。 こっちを見つめる人は、有紗だ。 少しずつこちらに近付く有紗に駆け寄ろう、そう思ったのに。 俺の体は まるでこの寒さに凍ってしまったように動かなかった。 なぁ、有紗。 幼馴染み以上に思ってたのはやっぱり俺だけだったのか?