あれからまだ一言も喋らない有紗。



これ以上黙ってるのは無理だと思った俺は気になってたことを聞くことにした。








「有紗こそ、山内に告られてたじゃん」





冷静を装って、感情を殺して。


声が微かに震えているのは、寒さのせいにして。







『何で、知ってるのよ…』




「何だよ、お前は俺が告られたの知ってたくせに」




『………のに』




「は?」





有紗の言葉は冷たい風に拐われて、俺まで届かなかった。








『樹くんには、知られたくなかったのに!』