「───あ」 通学路の途中にある公園。 俺は、ブランコを一人でこぐ有紗を見つけた。 「速水」 有紗、とはすぐに呼べなかった。 "有紗"そのワードは言葉にしようすれば喉がキュッと締め付けられて、声にならなかったから。 『樹……く…ん』 顔をあげて俺の名前を呼んだ君の頬を一筋の涙が伝った。