「虎くん、ここにいたんだね?探したよー」と白鷹の声がした。
振り返ると海パン姿の白鷹が肩にバスタオルを掛け、デッキチェアの傍に立っていた。
White pigという単語が似合うなとつくづく思う。Romiと同じ位、白鷹は肌が白く、そばかすだらけだ。
趣味も多く、結構なアウトドア派なのに、それ以上に食べるのが好きな白鷹は、海パンの上に柔らかそうな腹の肉がたっぷりと乗っかっている。
「泳ぐのか?相変わらず、腹、ヤバイな。もうオッサンの体型になってる」
振り返り、腹の肉を摘まむと白鷹は「いたたっ」と眉間に皺を寄せた。
「Romiはクマさんみたいでカワイイって言ってくれるんだけどな。やっぱりさすがに、このお腹はヤバイよね?」
アハハと他人事のように、タプタプと腹を揺らして、白鷹は笑っていた。
「ちょっと、座って話さない?」
白鷹はそう言うと、空いているデッキチェアに腰を下ろした。
「何だよ、改まって____」
シドニーに着いてから、男友達との飲み会に、結婚パーティーに、親類を交えてのクリスマスパーティーにと目まぐるしい日々だった。
白鷹と2人で向かい合って話をする機会なんて、ほぼ無かった。というか、照れ臭くて、避けていたのに、ここに来て、何だっていうんだ?
口元に笑みを浮かべていたものの、その眼差しは真面目だったので、お互い海パン姿で、プールサイドではあったけれど、思わず姿勢を正した。

