「珍しい、虎が気を遣うことなんてあるんだ?」
「What?」
「ごめん、冗談だよ。それより、クリスマスパーティーも誘って貰ったのに行けなくて、ごめん。先にバイト先の人たちと約束してたから」
「別にー、俺抜きでも新しく出来た親友'sと楽しんでるみたいでー」
葵は、目を丸くしながら、俺を見つめると、「つれないなぁ」と苦笑いをしながら、ビールを煽った。
「何か買って来ようか?」
空の瓶を見て、気遣いの男、葵がそう訊ねる。
「じゃあ、同じの」と尻ポケットの財布から10ドル札を取り出し、葵に預けた。
「了解」と酒を呑んでも顔色1つ変わらない葵は、カウンターに向かった。
葵と話てたから気付かなかったけれど、店のBGMが大きくなった気がする。
店の入り口近くにあるスタンディングテーブルを陣取ったが、急激に客も増えて来た。
「ヒュー」と唸るような歓声が聞こえ、人だかりになっているバーの中を覗いだ。
何かイベントか?

