「国内じゃないのか?」
「ゴールドコーストとエアーズロックには休日を利用して行って来たんだ。シェアメイトの彼もケアンズ入りで、ぐるっとノーザンテリトリーを回ってラウンドして来たみたいで、だったら、思い切ってニュージーに行こうかって」
葵は俺の知らない間に、ちゃっかりと気の合う親友を作っていたみたいだ。
何だよ、俺がいなくても楽しんでるんじゃないかとちょっと腹が立つ。
「レンタカー借りて、一週間くらい旅行したら、日本に帰る予定なんだ。虎はいつまでこっちにいるの?」
葵は楽しそうに旅行の計画を語るとそう訊ねてきた。
「まだ決めてないけど、31日のカウントダウンはシドニー湾の花火を観るのに、ホテルを押さえたって白鷹が言ってたな。久しぶりに家族が集まるんだからとか何だとか___」
「へぇ、すごいね」
「葵も来たらいい」
「嬉しいけど、その前にこっちを出発する予定なんだ」
ごめんと葵はすまなそうに謝った。
「俺もあんまり乗り気じゃねぇんだよなー。クリスマスも結局、親族での食事会とかで何話していいか解んねぇし、気遣って疲れたし」

