噛めば噛むほど味が出るビーフジャーキーをソシャクする。
口の中の塩分をビールで流し、訊ねた。
「うん、期間がクリスマス休暇の前までだったからね」
半年ぶりに会った葵は、少しりりしくなった気がした。
初めての海外生活で不安だらけだと言ってた割には、授業をそつなくこなし、回転すし屋でアルバイトまで始めていた。
パーティー会場でも、白鷹のグルームマンを務めたオージーと、楽しそうに会話をしていたし、会話は途切れ途切れの部分もあったけれど、葵の英語力は日本にいる時と比べものにならない程、上達していた。
真面目で努力家で、ゴウマンな所もない。
まさに穏やかな海のような男だとつくづく思う。
全てを包み込むような感じ?とでも言うべきか。
葵には敵わないなといつも思う。
「日本にはいつ帰るんだ?」
「そう、それなんだけれどね。アルバイトをしている時に知り合った日本人の男の人がいてね、今もその彼と一緒にルームシェアをしてるんだけど、彼もさ、もうすぐワーホリ(ワーキングホリデー)のビザが切れるらしくて、だったら一緒に帰る前に旅行いこうかって話になったんだ」
「へぇ、どこ行くんだ?」
「ニュージーランド」

