「はい、coronaでよかったよね?」
「TA.」
数日後、結婚式の二日酔いもあってゴロゴロと寝て過ごしていた俺は、陽が沈む頃、Cityのシェアハウスに住む葵を誘って、バーに呑みに来ていた。
葵からビールの瓶を受け取ると、瓶の口に乗ったライムを絞り、そのまま瓶の中にライムを落とした。
「Cheers!」
グラスを合わせ、酒を煽る。
スタンディングテーブルの上に置かれたビーフジャーキーに手を伸ばした。
「なるほど、そう使うのか……TA.」
「何が?」
「オージーイングリッシュだよ。You're welcome.の意味でのNo worrys.とか、Thank you.の簡略系のTA.とか、なかなか面白いよね。なんとなく、使うのが恥ずかしい気がしてたんだけど、さすが、紅虎はさらりとTA.を使うんだね?」
「別に意識して使ってなかったけど」
「いや、勉強になるよ」
葵は真面目な顔をして、頷いていた。
「葵はもう、大学は終わったのか?」

