Murder a sponsor.

【真人 Side.】


 琴音の態度が気になった。

 俺が琴音を好いていると熊沢によって明かされてから、琴音がどんな態度をしているのか……。

 しかし、琴音はいつもと変わらない微笑みを浮かべていて、みんなで俺と熊沢の帰りを待っていた。

 俺は……熊沢の告白を断った。

 俺は琴音のことが好きだし、熊沢のことを好いて付き合う道理がない。付き合うわけがない。

 そもそも熊沢は、琴音を――。


「さっきはごめんなさい。急に飛び出したりして」


 スッ……と、熊沢は何気ない表情を浮かべたまま、さりげなく俺の腕に自らの腕を絡めてきた。

 告白を断ったのに、こんなことをしてくるだなんて……コイツはどんな神経をしているんだ?図太い?バカ?それとも、狙ってる?

 なんにせよ、心地好いわけがないので、俺はすぐに熊沢を引きはがした。……コイツの顔なんて、見たくもない。


「無事で何よりです」


 まあ、それはそうだな。

 ところどころに設置されているであろうトラップに、引っ掛かっていてもおかしくはなかっただろうに、新名の言う通り、よく無事で俺達は戻ってこれた。

 それに関しては、この世にはいない神様とやらに感謝しないとな。