Murder a sponsor.

 熊沢との間に大きな溝を感じながらも、俺達は暗い国語準備室の中で助けが来るその時を待っていた。

 部屋が暗いのは、電気をつけると主催者か主催者を狙う人達にバレて、襲いにやってくる可能性があるから……という、舞さんの案なのだが、それに否定的な意見を出す人はいなかった。

 俺もそれはいい案だと思う。思ったのだが……辺りが暗いぶん、視界が悪く、危険だとも思った。

 まぁ、わざわざ電気をつけて、誰かに「俺達はここにいますよー」っと居場所を知らせるよりかは、いいとは思うが。


「私、ちょっと考えてみたんだけれど……」


 次に静寂を破ったのは、俺の隣にいる琴音だった。


「仮に、ずっと助けが来ないままだとして、それって……偉い人が関わっている可能性とか、あるのかな?」

「……それは、どういうこと?」


 琴音の話に食いついてきたのは、浦松先生だった。

 まぁ……そっか。鈍臭いながらも一応先生であるわけだし、“偉い人”って聞くと、この中で先に反応するとしたら浦松先生だよな。


「例えばですけれど、偉い人が生徒の全員のご両親に『学校の行事のために数日間は帰らない』って連絡した……とか」

「まさか……」

「あくまで例え話、ですけれど……」


 琴音の声は、自信なさげに震えていた。