Murder a sponsor.

「2人共、落ち着けって……。気持ちは分かるけど、今は喧嘩をしている場合じゃないだろ?」

「北條さんはどうお考えなんですか?!日は暮れたのに、助けなんて来ない……僕達はこのまま死んでいくかもしれないんですよっ?!」

「……もう少しだけ待とう。まだ、望みを捨てるには早すぎる」

「そうは言いましても……!」

「――新名くん」


 ギスギスとした場の中で、凛とした声が心地好く響いた。……舞さん、だ。


「真人くんの言う通り、もう少しだけ待ってみましょう?仮に、助けなんて来ないままなのだとしても……その時は、なんとしても主催者を暴いて、生き延びて脱出すればいいだけの話よ」


 舞さんの声……いや、落ち着いている話し方のおかげだろうか。言葉の内容は決して簡単なものではないのに、舞さんが言うと――希望が持てる。

 新名もすっかり落ち着きを取り戻し、「そうですよね……怒鳴ってすみません」と肩を落とした。

 ……熊沢は、黙り込んでしまった時と同様にそっぽを向いたままで、機嫌は悪い様子だったが。