Murder a sponsor.

 走っていた赤羽さんの身体がピタリととまったかと思えば、ビクン、ビクンと痙攣し始めた。


「……あっ……あ……」

「赤羽……さん?」

「……あ……ひっ……」


 ――ぶしゅーーっ!!!

 赤羽さんの喉の辺りから、真っ赤な血が噴水のように溢れ出た。

 それを見た俺達は、全員身体が凍り付いたかのように動けなくなる。

 なん……だ?何が……起こって……。

 ビクン、ビクン。身体を痙攣させたままの赤羽さんは、ゆっくりとこちらを振り返る。

 そこには……涙を流しながら、喉が横にぱっくりと割れている赤羽さんがいた。そのぱっくりと割れている喉から、血がとまることなく溢れ出ている。

 みんな、何かしらリアクションを取ることが出来ないまま、食い入るように赤羽さんを見つめていた。

 ひゅー、ひゅー。赤羽さんの喉から、空気が漏れる音が聴こえる。

 俺達に手を伸ばし、両目を見開いたまま、赤羽さんはその場に崩れ落ちるようにして倒れた。


「いやぁあああっ!!!」


 そこで初めて悲鳴をあげた熊沢に釣られるようにして、みんなは泣き崩れたり、顔をそらしたり、口に手を押さえてしゃがみ込んだりし始めた。

 俺は……呆然としたまま、その場に座り込む。

 助けられなかった……赤羽さんは目の前にいたのに……助けられなかった……助けることが、出来なかった……。