Murder a sponsor.

「ありがとう、みんな。来てくれて嬉しい。なぁ。これ、なんとかして外せないか?」


 これ、と、女子生徒の足に食い付いているトラバサミを見せると、一緒に来ていた舞さんが目を見開いた。


「赤羽(あかば)さん……!」

「まっ、舞ちゃん……!」


 どうやら、知り合いの様子。……ということは、この赤羽さんっていう人も舞さんと同じ3年生なのだろうか?

 舞さんの姿に気が付いた赤羽さんは放心状態が解かれたのか、自我を取り戻したみたいで、そのくりくりとした目をまばたきして見せた。


「何があったの?」


 みんなでトラバサミを引き剥がしている最中、舞さんが問い掛けると、赤羽さんは涙目になりながらも状況を教えてくれた。


「廊下を歩いていたら、そこの2人が襲い掛かってきたの!ボクは後退りをしてこんなことになっちゃったけど、そしたらそこの2人が……横から飛んできた包丁に刺さって……」


 ……“ボク”?

 赤羽さんってどう見たって女の人……だよな?まぁ、世の中には色んな人がいるし、気にするだけ無駄かな?


「包丁……確かに、本当ね」


 舞さんが横たわる2人の男子生徒に目を向け、身体に包丁が刺さっていることを確認した。壁には、給食室で見た飛び出すようになっている仕掛けがついていた。

 これ、色んなところに仕掛けられているのか?もしもそうなら、慎重に行動しないとな。