Murder a sponsor.

「……また、誰かがトラップに引っ掛かったんじゃない?どうせ助けに行ったって……」


 熊沢が投げやり気味に言うが、俺は首を横に振った。


「いや、舞さんの時みたいに、誰かに襲われているのかもしれない。もしもそうなら、助けにいかねぇと……っ!」


 確かに、熊沢の言うように、美智子さんの時みたいにトラップに引っ掛かったのかもしれないが、舞さんの時みたいに誰かに襲われたのだとしたら……?

 今、助けにいかなければ、助けられる命を見捨てたら、俺は一生、後悔することになる。だったら、助けにいきてぇ……!


「バカ言ってんじゃないわよ!わざわざ危険に飛び込む必要なんて……!」

「来たくなかったら来なくていい。俺1人でいく!」


 給食室で手に入れた包丁を握り締めると、俺は国語準備室を飛び出した。

 危険なのは承知だ。だから、誰かに一緒に来てもらおうとは最初から思っていない。むしろ、みんなを危険に晒したくないから、来てくれない方が本望だったりする。

 まぁ……だからといって、俺1人で行って生き延びれる可能性は限りなく少ないわけだが。……そう考えると、俺は本当にバカなんだろうな。でも、後悔だけはしくないから。