Murder a sponsor.

「よかった。みんな、主催者じゃないんだねっ」


 琴音が笑顔で言うと、熊沢はジッと舞さんを睨んだ。


「“私達クラスメート”が主催者ではないことが分かって嬉しいんだけど、剣城さん、あんたの疑いは晴れてないんだけど?」

「熊沢さん!ですから剣城さんが主催者のわけが……」

「メガネは黙ってて」

「メガッ……?!」


 ……まぁ、確かに新名はメガネだけど。


「保健室であんたが襲われていた時、男子生徒たちは成績のいいあんた以外に考えられない……とかなんとか言っていたわよね。私、思ったんだけど、フツーの子が教室を爆破させたり、引き出しの中の包丁すべてを飛ばすようなトラップを仕掛けられると思う?」

「……」

「私は無理だと思う。でも、男子生徒たちが言っていた通り、剣城さん……成績のいいあんたなら可能なんじゃないの?」

「熊沢」

「北條も黙ってて!」

「いいから、聞けっ!」


 俺が大きな声で言うと、熊沢は押し黙った。


「お前の言い分は分からなくもない。でもな、給食室に同行してもらった時、舞さんは俺を助けてくれた。だから、舞さんは主催者じゃねぇ」

「っ!そんなのっ、いい人に見せようとしているだけかもしれないじゃないっ!演技かもしれないじゃないっ!」

「だとしても……!俺は、舞さんを信じる」


 熊沢の目をまっすぐに見つめながらそう言うと、熊沢は目をそらし、「勝手にすれば」とぽつり言った。