Murder a sponsor.

「怪しいように見えるのなら謝るわ、ごめんなさい。でも、私は決して主催者なんかじゃない」

「なっ、何よ!謝れば疑いが晴れるとでも思ってるの?!それに、口でならどうとでも言えるじゃないっ!」

「……そう。信じてもらえないのは残念ね。でもね、熊沢さん。そう言うあなたは、自分が主催者じゃないって言いきれるのかしら?」


 冷徹な瞳で熊沢を見つめる舞さんに、背筋がゾクッとした。高嶺の花と言われるだけのことはあるのかもしれない。

 熊沢はまさかそんな言葉が返ってくるとは思っていなかったのか、大きく口を開けてぱくぱくと動かした。


「なっ……?!」

「いいえ、あなただけじゃない。ここにいるみんな、ちゃんとした証拠がない以上、主催者である可能性は十二分にあるのよ」

「!」


 この場にいる俺を含むみんなが息を飲んだ。

 ……そうだ。口ではなんとでも言える以上、自分は主催者ではないと嘘をついている人がいるかもしれない。

 この中に、主催者がいるかもしれない。


「剣城さんまで……や、やめてくださいよ、この中に主催者なんているわけが……」

「私もいないと思いたい。……信じたいわ」


 新名も、舞さん自身も、この中に主催者がいるなんて思いたくないのか。そりゃあ、そうか。みんな、思いたくないに決まっている。もちろん、俺も。思いたくない。