「俺が確認しにいく」

「あっ。おい?!」


 俺の横をスッと通り過ぎたのは、不良で有名なクラスメートの山神 礼二(やまがみ れいじ)。

 何食わぬ顔で廊下から顔を出し、血塗れた窓の方を向く。刹那、山神は目を見開いた。


「……」

「おい?どうなってるんだよ?」


 俺が問い掛けると、山神は切れ長の目をこちらに向ける。


「……見ない方がいいぜ。首と胴体が離れてらァ」

「……っ!」


 宮城先生の首と胴体が離れて……?さっきまで普通に話していた宮城先生の……?冗談、だろ……?


「うぅっ」


 横にいた幼馴染みでもあり、俺が長年想いを寄せている白鳥 琴音(しらとり ことね)が、口を押さえてしゃがみ込んでしまう。


「大丈夫か?」


 目線を合わせるようにしゃがみ込み、琴音の背中をさすりながら問い掛ける。

 琴音の顔は真っ青で、目には涙をためながらふるふると震えていた。