Murder a sponsor.

「けど!俺達はお前達を殺そうとしたんだぞ……?!お前達が来る前に来た奴らも殺してきたし、こんな俺達なんて、もう……」

「勘違いするなよ?俺達はお前らが襲い掛かってきたから、自分の身を守ろうと足掻いただけだ。お前らを殺すためにやり返したわけじゃねぇ」


 殺さなくていい選択肢があるのなら、俺はそちらを選びたい。

 やっぱり、人を殺すとか、それをゲームの題材にするとか考えられないし、俺自身……だれかを傷付けたくない。

 傷付けなくて済む道があるのなら、極力そっちの道を進みたいんだ。

 殺し合いは好きじゃないし、そもそもそんなことをする奴らの考えなんて分かりたくもなければ、無抵抗な人を一方的に痛め付けて殺す趣味も持ち合わせていない。

 だから俺達は、また襲い掛かってくるなら生きるために抵抗して足掻くけど、相手の息の根をとめるようなことはなるべくしたくないんだ。


「すま……ねぇっ……!こんな意味の分からないゲーム、早く終わってほしくて、美智子(みちこ)を守りたくてっ、片っ端から人を殺せば……主催者に当たって、こんなゲーム、終わるかもって……!」


 そう言うと、何かの糸が切れるように、男子生徒は泣き出した。

 美智子さん……は、隣にいる女子生徒だろうか。彼女は男子生徒の身体に抱き着き、再び涙を流していた。