Murder a sponsor.

「……結果、俺もお前らも、何もしてないけどな」


 俺がじろっと熊沢の方を見やると、熊沢は苦笑いを浮かべた。

 しかし、舞さんはふるふると首を横に振る。


「そんなことはないわ。あなたたちが来てくれたからこそ、あの状況を打破できたんだもの」


 そして、優しく微笑んだ。


「改めて礼を言わさせてもらうわ。本当に、ありがとう」


 そんなに改まって言われると照れるというか……まぁ、いいか。

 ちょっとこの場の雰囲気が穏やかになった瞬間、新名が恐る恐るといった感じで俺を見上げた。


「……ほっ、北條くん」

「ん?」

「給食室に……誰かがたむろしている可能性って……ありますよね?」

「……」


 ……そうだな。

 俺と同じ考えをした奴が、真っ先に給食室に来ている可能性はある。

 この校内で食料は給食室だけなのだから、他の誰にも食料が取られないように、占拠している奴らだっているかもしれない。

 さらに、給食室に来た奴らを片っ端から殺していって……いずれ、主催者をも殺してしまおうっていう戦略だって練ることが出来る。

 ……まぁ、このイカれたゲームを考え、数々の殺人トラップを考えたバカの天才が、のこのこと給食室に足を運んで死亡っていうのは……まぬけで笑えない気もするけど。