Murder a sponsor.

「そんなっ……この学校の生徒が……そんなこと……!」


 新名は、まだ目の前の現実を受け入れられないようだった。


「私の言葉が信じられないのなら、信じなくて構わないわ。自分の足で講堂に行って確かめてきなさい」

「……いや、俺は信じるよ」

「えっ?」


 その場にいた全員が、驚いたような顔を俺に向けた。


「この1階におりてくる間、俺達の教室は爆破……しちまったし、廊下の途中にいくつもの死体があった。俺はあんたの言うこと、信じる。薄々と気が付いていたけれど、やっぱり今のこの状況って……」

「……学校のみんなが、お互いに殺し合っているっていうこと?」


 俺の代わりに、琴音が言ってくれた。

 だけど、信じたくない……認めたくないっていう面もあって、俺は琴音の発言にうなずくことが出来なかった。

 みんなも俺と同じ気持ちなのか、黙り込んでしまった。なんとも言えない空気が流れてしまう始末だ。


「……なぁ」


 しかし、いつまでもこの状況でいるわけにはいかないので、話の流れを変えるためにも俺は口を開いた。


「俺達は今から給食室に行くけど、あんたはどうするんだ?」


 彼女の発言を信用する辺り、もう講堂へ向かって現状を確かめる必要はないだろう。本来の目的であった給食室に行こうと、俺は思った。