Murder a sponsor.

「やっぱり、いいよ。無理に話させて悪かった。俺達は自分の目で確かめに……」

「いいえ!大丈夫!大丈夫、だから……」


 そうは言っているものの、顔は真っ青のままだったし、声は震えていた。

 彼女は大きな深呼吸をしたあと、再びゆっくりと口を開けた。


「担任の先生が教室の扉を開けた瞬間、なぜか頭上から、大量の硫酸が……降ってきたの……」

「はぁっ?!硫酸?!」


 熊沢が信じられないといった様子で声を荒げた。


「信じられないかもしれないけれど……事実よ。担任の先生はその場に倒れ、やがて動かなくなったわ。それを見たクラスメイトは錯乱して、みんなバラバラに教室から出ていってしまった……」

「そんなことが……」

「クラス委員長が必死になだめたものの、落ち着きを取り戻したのは私を含めた数人だけ……。1度、講堂に集まろうっていうことになって講堂に向かったんだけれど……講堂へは行かない方がいいわ」

「えっ?」


 今からみんなで講堂に行ってみようと思っていただけに、彼女から制止の言葉が放たれ、思わず聞き返してしまった。


「講堂は……たくさんの先生や生徒が死んでいて……あそこにいると、気分が悪くなるどころじゃないわ……」


 彼女のただならぬ様子を見る限り、本当なのかもしれない。

 彼女の言葉通り、講堂へは行かない方がいいのだろうか……?