Murder a sponsor.

 血を踏んで滑らないように気をつけながら……そして、なるべく生徒だったモノに目をむけないように気をつけながら、なんとか無事に1階へとたどり着いた。


「よしっ!このまま廊下を真っ直ぐに行けば講堂が――」

「私から離れなさいっ!」


 俺達が安堵の息を吐いた瞬間だった、すぐ近くの教室から、切羽詰まったような女性の声が聴こえた。


「なにっ?今の……?」


 熊沢の顔色は真っ青になっていた。……嫌な予感しかしないな。


「こっちかっ?!」

「ちょっと!北條?!」


 声の聴こえた方向に向かって走り出す俺に、みんなは一瞬だけビックリしながらもついて来た。

 確かこの部屋――保健室――から聴こえたはずなんだが……。

 勢いよく保健室の扉を開けると、見知らぬ1人の女子生徒が3人の男子生徒に囲まれていた。


「アンタがこのイかれたゲームを考えた主催者なんだろっ?!」

「アンタは頭がいい上に成績もいい……あんな数々のトラップを考えられるのって、優等生以外に考えられねぇんだよっ!!!」

「違っ……私じゃないっ!」


 震える女子生徒に、ジリジリと迫り寄る男子生徒たち。

 それを見た俺は、思わず走り寄り、1人の男子生徒に体当たりをしていた。


「うぉぉぉおおおっ!!!」

「ぐあっ?!」


 残りの2人の男子生徒も、迫り寄られていた女子生徒も、後から来ていたみんなも、俺の行動に唖然とする。