サイコロ【短編】

「そっか……。
じゃあ、お前の母ちゃんも
父ちゃんもさそがし
喜んだだろうな、
お前が生まれてさ。」



「本当に?」



「ああ、そう思うよ、俺は。
だって、お前は
生まれてくるときから
母ちゃんの事を思って、
出てきたんだから
そんな親思いの優しい子供を
生まなきゃ良かったなんて
思うはずねぇだろ?
むしろ、
お前に会えてめちゃ、
喜んだと思うよ。
父ちゃんも母ちゃんも。」



「うん、そうだね。
だって僕もパパとママに
会いたかったんだもん。
僕はパパとママに会うためにも、
生まれてきたのかもしれないね。」



「ああ、そうさ。」



俺はすっかり顔色もよくなり、
笑顔を取り戻したユースケを
ホッとしながらも眩しげに見ていた。



俺にもこんな純粋だった頃が
確かにあったんだよな。
忘れていただけで
確かにーーー
ーーーーあったんだよ。