「びっくりさせないでくださいよっ!」


本気で、お化けが出たのかと思ったんだから。


怖さと、安心で、うっすらと涙が出てくる。


「おい、泣くなって…………………ごめんな、脅かして。」


「会長のばかっ。」


素直に謝ってくる、会長。


意地悪だったりするけれど、急に素直になる会長にキュンとしてしまう私。


きっと、顔、真っ赤なんだろうな?


暗くて見えてはいないと思うけど。

「それより、私、重いですから降ろしてください!もう、大丈夫ですから。」


「全然、軽いけど?もっと食え。」


会長は、歩きながら、私を腕の中で飛び跳ねさせる。


こんなに軽いとでも言いたそうに。


「い、いやっ。会長、落ちるっ!!」