さすがに、強く抱きしめられたら苦しい。


「しかも、杏奈が悪い訳じゃないし。ね?」


私がそう言うけれど、杏奈は納得していない様子。


「でも、会長のことは許せない。」


「えっ?」


杏奈はいきなり立ち上がった。


怒っているのか、とても顔が怖い。


「杏奈?」


「ちょっと会長のこと、一発殴ってくる!」


「そんだな、俺も!」


な、殴るっ!?
って、愁君まで!?


「ちょ、ちょっと待って、杏奈!」