「よく頑張ったな?俺の秘書さん?」


まだ、寝ている結愛に言葉をかける。


返事は帰ってこないけど。


夜の路地は、とても静かだった。


「お前も知ってるんだろ?すみれ先輩のこと。俺さ、すみれ先輩を失って、大切なやつを失って。」


ふと、立ち止まって、星が輝く夜空を見つめた。


住宅の明かりで、たくさんの星は見えないけれど。


輝く星はとてもきれいだった。


「俺はさ、もう、大切なやつは作らないって決めてたんだ。これ以上、大切なやつを失いたくない。かっこ悪いけど、怖いんだ。」