「結愛、もしかして、会長のこと好きなの?」


何かをたくらんだように私を見てくる杏奈。


「へっ!?い、いや。好きじゃない。」


そ、そんなわけないじゃん。


第一、私みたいな地味な子なんか相手にしてくれないだろうし。


朝のことは、たまたま優しくしてくれただけ。


「ふーん?」


つまんない、なんて呟きながら杏奈は前に向き直った。


出来ればね、私だって好きになりたいよ。


会長のこと。