たった10分前までの出来事だったけれど、本番はここから。


疲れたなんかもう言っていられない。


私たちはすぐに持ち場に付いた。


「会長、そういえば、まだ今日の私たちがする仕事聞いてなかったんですけど……………」


「あぁ、後で教えてあげるよ?とりあえず、会長挨拶あるから、ここで待ってて?」


ここは、司会者の神崎先輩と茜先輩の隣。
ホールの端っこだった。


「これより、新入生歓迎パーティーを開催いたします。」


挨拶をする、神崎先輩。


いつもに増して、真面目だった。



「神崎先輩とやるときはやるのよ?」


ポカーンとして神崎先輩を見ていた私に茜先輩はコソッと言った。


「何?」


神崎先輩もマイクにはいらないよう、コソッと質問してきた。


「いえ、何も?」


茜先輩は私にウインクをしてマイクの前に立った。


「それでは、生徒会長、蒼井より挨拶です。」