しかし、小鳥遊椿二等兵、仕事がありましたぜっ!



逃げ場はやはり先程避難した屋上しか思い当たらなくて、俺は再び古い鍵をヘアピンで器用にこじ開ける。



学校で一番空が近い屋上に、拉致した由貴先輩ごと乗り込み、ミッションコンプリート。



「もう…あんた達ホント馬鹿!泰河まで馬鹿とは…!でも、ありがとう!」



「いやあ、女を守るのが男の使命っす!」



「そんなことよか、授業ダリー!バスケしてーわ!」



何だか晴れ晴れした由貴先輩の笑顔に、いつの間にか鳴り始めた余鈴も気にせず、俺達はギャーギャー騒ぎ出す。



…放課後、由貴先輩を拉致した上に、授業一時間サボった噂が秀吉キャプテンの耳に入っていて、雷が落ちるのは、また後の話。