「なっ…!ちょっと綺麗な顔やけんて、調子乗らんでくれん!?」



さっきまで行雲先輩に近寄られて頬を染めてた女子はどこへやら。貶された途端、マジギレなんですけど。



「おわっ!キレたらもっとブス!椿、泰河、準備万端か?」



「ウィーッス」



「うっす!」



そう、言うだけ言い切った行雲先輩は猛スピードでダッシュし、逃げる。



勿論俺も、水高バスケ部イチの俊足で後を追う。



泰ちゃんは、ラッキーなことに廊下に出て来てくれていた由貴先輩を、得意の俵担ぎで連れ出して、颯爽と着いてくる。



うちの敏腕マネジ、馬鹿にされちゃあ黙ってられないっての!まあ、俺逃げてるだけだけど。