連れてこられたのは、校庭にあるバスケットコート。



「俺はバスケ部だけん、ハンデばやらなんね。俺が5ゴールするまでに1ゴールでよかよ。お前、バスケ経験は?」



「いや、ないっすよ。フツーに」



ってか、自分の土俵で潰すとかマジきたねーわこの人。



「迫田やっちゃえー!そんかふざけた一年生!」



いつの間にか集まったギャラリー。どうやら、先輩猿軍団の一員みたいだ。



「お前から攻撃仕掛けてみるか?」



「いや、先輩の動き見てみないと、僕戦えませんからー」



猿先輩は俺の返事にニヤリと笑い、ボールをドリブルし始める。



そして、キュ、と足首を捻らせ、ゴールに走った。