「それにしてもこの学校、指定のカーディガンはオシャレだよな」



「灰色と桜色、ベージュね。椿はどん色も着こなしとるね。俺はサイズないけん、カッターシャツやけどねー」



なんて、他愛もない会話をして目的地に到着したんだけど…。



「さっさとごっ………ぐぇぇ!?」



「椿せからしかね!しーっ!」



あ、『せからしい』って言うのは煩いの最上級を意味する方言、じゃなくて。



「行雲先輩、なにしてんの?」



俺を第二体育館の壁際に引っ張ったのは行雲先輩で、手にはごみ袋。



あー、この人も、俺と仲間ね。



「ところで先輩、どきゃんしたんですか?」



いつの間にか俺達の後ろに回避していた泰ちゃんが尋ねる。



「あれ、見てみ!」



こそこそと話す行雲先輩の指した先を見ると………



秀吉キャプテンと、女子生徒。