「じゃあまずはオフェンスボール君達からね。どれくらい出来るか見てみたい」



親父はひょい、と行雲先輩にボールを渡すと、早速腰を低く構え、ディフェンスにつく。



俺も慌ててピカ先輩についた。



「んー?俺にマッチアップすんのは、椿ちゃん?楽しみぃ」



可愛いのにどこか妖艶なのは、きっとハーフ顔のせい。



「悪いけど、ピカ先輩にボール、回させませんから」



お互いにニヤリと笑い合っていると、向こうもヒートアップしているみたいだ。



「おー!綺麗な顔して早いね!」



「とか言って、全く抜かしてくれんやないですか!」



行雲先輩はその身長にしてはキレのあるステップとドリブルで親父を抜きにかかるが、俺と同じ程の体格の親父は、そのリーチをものともせず、行雲先輩を動かさない。