チームは、先輩チームVS小鳥遊家チーム。
「ってか、こっちオッサンと素人のチームじゃね?完全不利じゃね?」
「わー、我が息子よ、なんて毒舌な」
ヘラヘラ笑う親父に対し、緊張感漂う先輩二人。
このただのオッサンのことマジで凄いと思ってんの?
…まあ、俺も実際問題、1on1で勝ったことないんだけどさ。
行雲先輩のパワーディフェンスと、ピカ先輩の怒濤のオフェンスがあれば、分かんないんじゃない?
行雲先輩は、俺を見つめながらじーっと何かを考えている様子。
「………。(それにしても椿のあの冷静さ、テクニック、スピードは、時雨選手の英才教育やったとは。こいつが成長したら、俺どころか、ピカ先輩ですら太刀打ちしっきらんくなるかも、知れんな……)」
「行雲先輩、何してんの?早く始めよー」
「あ……?お、おう!」
俺の声かけにようやく考えるのを止めた行雲先輩に、親父が手の中にあったボールを投げて渡した。



