秀吉キャプテンの、低い、呻きにも似た泣き声と、それに重なる有ちん先輩の静かに鼻を啜る音。



それを聞いてるだけで…ああもう、やっと泣き止んだのに、また涙が溢れて止められない。おまけに心臓がちくちく痛む。



「帰ったら、もっともっと強くなろう。俺達…強くなろう」



ピカ先輩も我慢の限界だったのか、スッと一筋、涙をエメラルドグリーンの瞳から溢した。



隣を見れば、行雲先輩も声を我慢するようにして手の甲で口を覆って泣いていて、泰ちゃんも、そんな行雲先輩の小さな頭を撫でながら、止まらぬ涙を流していた。



この夏は、終わってしまったんだ。



楽しくて、何よりも大切だったこの夏は、もう、終わってしまったんだ。



つんざくような痛みと、口の中に広がるしょっぱくてほろ苦い、例えようのない想いを胸に、俺達は、流れる涙を止めなかった。