「………すまない。後0.1秒でも俺が早く打ってれば、勝てていたのに」



「何で謝るとよ、秀。負けたのは、凌華学院が俺達よか上やったけんやろ?」



皆の前では決して弱音を吐かなかった秀吉キャプテンの弱い声に、俺も、他の三人も真顔で黙り込む。



「約束を、果たすことが出来なかった……。有馬に、バスケの素晴らしさを教えてくれたお前に、一番上からの景色を見せたかったのに」



秀吉キャプテンのその震える声に、有ちん先輩の穏やかな声が重なる。



「何言いよっと。決勝戦、決勝点やなかったけど、俺の最後のバスケん試合で、俺のアシストで秀が3ポイントを決めた。………負けたんは悔しかばってんね、俺、不思議とそれだけで、満足しとっとよ」



最後の方は涙声だったけど、それが有ちん先輩の飾らない本心だというのは、俺の心にその言葉がストンと落ちたことにより分かる。



「うぅ…………う、うぁぁぁ!!」



有ちん先輩の言葉の直後、秀吉キャプテンの、空気を切り裂くような声が空間に響き渡った。