「それにしてもデカイなー、えっと…」



「仇野泰河(あだしの たいが)好きに呼んでくれてよかよ。名前負けしとるばってんね。同じクラスやけん、よろしく!」



「じゃあ、泰ちゃん。俺は椿でいーよ。女みたいな名前だよなー」



高校生になって初めての友達は、めっちゃデカイけど、穏やかそうな奴。



「ところで、なんで呼び出し?俺はまあ、見た目のことだろうけど、泰ちゃん模範生っぽくない?」



「はは、俺は春休みからここのバスケ部で練習してたせいやろか、筋肉ついちゃったけん、ほら、シャツのボタン一個留まっとらん」



デカイから全く見てなかったけど、ホントだ。でも、仕方なくね?俺も泰ちゃんも。



「とりあえず、誤解解いとかねーと目付けられるパターンじゃね?」



「そうやねー。困ったなー。キャプテンに怒られるばい」


しかし泰ちゃんはたいして困ってるようには見えない。穏やかに、頭をかいた。