残り時間6秒、5、4………



「Kiss my ass!(糞食らえ!)」



最後の捨て台詞のように吐かれた英語が、意味が分からなくとも罵倒だというのは伝わる。



3秒、2、1…………ピッ!ピィィ!!



試合終了と共に、ブザーが鳴り響く。



その後すぐ、留学生選手がダァン、とフロアにボールを叩き付けた。



俺と泰ちゃんは目を見合わせ、苦笑い。



「ソーリー、ノットスピークイングリッシュ、なのよ。日本って英語常用語じゃないからさ」



「あはは…椿の言ったこつ、向こうに伝わっとらんて思うばい」



そんな会話をしながら、喜びで飛び付き合う他のメンバーの元へ、走り出す。



ピカ先輩に飛び付き、混じった秀吉キャプテンに頭をわしゃわしゃされながら思う。



この夏が、この熱い戦いが終わりを告げるまで…あと二日だというこを。