インターハイ本選も四日目に入り、残るチームはたったの8チーム。



「昨日は…うん、何と言うか、微妙な上がり方をしたばってん。お前達は、何百とある高校のたった8つにまで残った。誇りに思っても良かやろう」



ベンチで、箱田先生が静かに語り、俺達も、それに黙って耳を傾ける。



「ここまでば『まだ』準々決勝と思っとる者もおると思うが、正直、私は『もう』準々決勝だと思っとる」



……俺も、箱田先生と一緒。このチームが負けるところなんて想像は出来ないけど、でも、ここまで残るとそう思う。



箱田先生はずっと水高バスケ部を見てきた指導者だから、尚更そうなのかもしれない。



「折角ここまで見してくれたとやけん、このババアに、冥土の土産にもっと上を見してくれるな?」



その穏やかな声に、俺達も強く頷いた。