【完】シューティング★スター~バスケ、青春、熱い夏~

それは、やはり空中の戦場で。



ドカァァ!!



「仇野っ!」


シュートに入っていた相手の肘が、泰ちゃんの額辺りに直撃。



秀吉キャプテンが名前を呼んだ時には、泰ちゃんは痛みでうずくまっていた。



なのに………。



スパッ……………。



「白(水高)10番!プッシング!バスケットカウントワンスロー!」



「な!怪我したのはこっちだろっ!」



審判の、泰ちゃんがファウルしたとの判断に俺は思わず声を荒げる。



「椿、大丈夫、やけん。……何でもありません」



泰ちゃんは俺の額をコツン、と優しく叩くと右手を上げ、立ち上がる。



しかし、その体は先程の衝撃に、よろり、と傾いた。



「仇野、最終クォーターまでに帰って来い。………審判、フリースローの前に、交代お願いします」



泰ちゃんを支え、コートの外に出ていくキャプテン。



箱田先生の指示で代わりに入ってきたのは、行雲先輩だった。