【完】シューティング★スター～バスケ、青春、熱い夏～

相手は戦略を変えることなく、マンツーマンでディフェンスにつく。



「悪いけど1対1では負けないよ！」



左右にドリブルとステップで揺さぶり抜き、その先でフットワークを使ってディフェンスを振り切った秀吉キャプテンへパス。



そのまま俺と２線速攻の形で走り、一本レイアップを放り投げた。



「よぉし！次！ディフェンス気合い入れてくばい！」



有ちん先輩が叫び、ディフェンスに走って行くのを見送りながら、秀吉キャプテンとハイタッチし、次を待つ。



花江サイドは、焦れることなく、外からボールを回し攻めてくる。



「スクリーン！！」



ゴール下にフォワードがボールを運び、同じくマンツーマンでディフェンスについている俺達は、パスが回らないように体を張る。



泰ちゃんは、相手センターとリバウンドの良い位置の取り合い。



ボールを持つあちらさんの選手と、有ちん先輩の一騎討ち。



「お前、何なんだよ！(この5番フルタイム出場のくせに、なんなんだ！しかも、ガードかと思ったら、フォワードに代わりやがって！)」



「んー、凡人の底力ってやつやろうか？」



顔が引っ付いてしまうんじゃないかって位の執拗なディフェンスに、攻撃も出来ない花江サイド。



「こっちだ！」



相手のもう一人のフォワードが、ディフェンスの網を抜けたところに、ワンバウンドでパスが回る。



「流れを変えてやる！」



「いかん！！」



そのフォワード選手が良い踏み切りで飛び上がる。



それを、泰ちゃんがその場から動き、ブロックに走った。