【完】シューティング★スター~バスケ、青春、熱い夏~

「オラオラ!圭介お前、練習ん時より固かぞ!」



「当たり前じゃボケぇ!お前と違ってこっちは初めてのデビューとぞ!しかも全国に来てやっと!」



試合中にも関わらず、ギャイギャイと言い合う二年生フォワード組に、隣でピカ先輩がクスクス笑う。



「俺が卒業するまでにケイちゃんば鍛えなんね。……鍛え甲斐ありそうやし」



エキゾチックに目を細めるピカ先輩に、たまに放つSの匂いを感じ、顔の筋肉が強ばる。



迫田先輩………ドンマイ。



試合展開は、水高の一方的な運び。



フォワード陣のスピード感のあるオフェンスかと思えば、ガード陣の、時間ギリギリまで使った戦法。



その両方を上手く行かせるように、花江のオフェンスをことごとく防ぎきる、ゴール下のディフェンス。



第2クォーターが終わる頃には



水高68-19花江



点差は更に開き、水高が全国で名を馳せるには、最高の試合となっていた。