【完】シューティング★スター~バスケ、青春、熱い夏~

その華麗な3ポイントシュートを決めた秀吉キャプテンに、一階の記者達の方が慌ただしく動き出す。



「あーあ!遂に秀ちゃんも全国区やねぇ。まあ、もっと早くに騒がれとっても、おかしくなか実力ばってんね」



言ってる言葉の内容とは裏腹に、凄く嬉しそうなピカ先輩。



「そうだね。俺達が皆でひとつのチームだってこと、見せつけましょ」



「そんとーり!」



オールコートマンツーマンに対し、息ひとつ切らしていない有ちん先輩が、ゆるりと司令塔をこなすこのクォーター。



ゆっくりとした司令塔のスピード。そのスピードに合わせたプレイのシューター。しかし、意に反し、スピードプレイで真っ向勝負するのが、フォワード、センターの三名。



その緩急のある陣形に、苦戦する、花江の選手達。



「嘗めとるんはそっちじゃなかとや!キャプテンだけやなかぞ!」



バチィン!!



花江のゴール下からのシュートを、横から飛び込んできた迫田先輩が弾き、泰ちゃんがキャッチ。



入学式のあの日、俺との1on1に敗れ、一時はベンチから外された迫田先輩だけど、先輩なりに沢山努力してベンチ入りを取り返したんだ。



雑魚とか、三軍なんて言ってゴメンね迫田先輩。



今や、ピカ先輩が卒業したら、きっとこの人がベストメンバーになるだろうってくらいの実力にのし上がった迫田先輩に、心の中で謝った。