【完】シューティング★スター～バスケ、青春、熱い夏～

「「「ディーフェンス！ディ、ディ、ディディーフェンス！」」」



ベンチや応援席から、即座に次のディフェンスコールが流れる。



まさにこの試合、水高ムード一色。



「さ、ディフェンス一本！先輩達、あれ、見せてやりましょーよ」



俺はディフェンス陣の先輩方のお尻をバシッと叩き、配置につく。



うちは、スピード勝負の速攻型プレイを底上げしてきたチームだ。それは勿論、オフェンス時の時の走りもそうだけど、ディフェンス時だって、得点に繋げる為に、練習してきたんだ。



「リバァァァン！！」



ベンチから、行雲先輩の大きな声が飛び、スクリーンアウトをしていた先輩方が飛び上がる。



それを、フォワードの先輩が取り、着地すると、人の密集したそこは、更なる戦場に。



しかし、先輩は冷静に、ノールックでアウトサイドのピカ先輩へ、ボールをパスした。



そう、このパス。『アウトレットパス』こそ、一軍の行雲先輩や泰ちゃんを中心に、ディフェンス陣の皆が練習してきた、新しい武器。