東京はやはりとても騒がしく、じめじめと俺達を暑さへ引き込む、うだるように暑い、夏。



俺とキャプテンは軽いパスワークからの1on1を、近くのストバスコートで行っていた。



「椿…………小鳥遊、椿!」



その最中、急に声をかけられ、思わず立ち止まる。



振り返ると………俺達が今日勝ち進めば、明日相手になるだろう、横浜工業のジャージを来た、ライトブラウンの短髪男。



俺は、こいつを知っている。



「小鳥遊、知り合いなのか?」



「はい。あいつは、幼稚園から中学までずっと一緒だった幼馴染み…雨音 幹太(あまね かんた)です。んで、多分、横浜工業の、センターっスね」



昔から変わらない、ひょろりと伸びた長身と、でっかい手足。俺の良く知る、幼馴染み。