「凄か椿!フェイダウェイまで出来るとね!」



「あれ、フェイダウェイって言うの?」



親父と毎日1on1やってるうちに覚えたやつなんだけど、普通のバスケでも通用するもんなんだな。



「チッ!なんやあの一年!バッシュも履いとらんし素人やと思っとったら…!」



「神楽木、あれの実力は読めない。素人だと思ってかかるなよ」



俺が点を取ったから、次はこちらはディフェンススタート。


外からボールを受け取った眼鏡先輩に俺はディフェンスに付く。



「さあ一本!落ち着いて取り返すばい!」



眼鏡先輩は瞬時にモブ部員にパス。モブ部員もその先にいるヘアバンドキャプテンにボールを繋げた。



泰ちゃんがヘアバンドキャプテンの方へディフェンスに走る。



…が、ヘアバンドキャプテンは冷静に、美しく且つ、素早くシュートを放った。



二、三年チーム3-2俺達チーム



「あんなのどう止めんだっての」



俺の得点を、たったの数秒で帳消しにしやがった、あの人。